超音波洗浄機ってどんなもの?
超音波による振動で汚れを落とす
液体に超音波を当てると、液体の分子が振動します。
当然のことながら、音波を当てていない液体よりも振動は激しいです。
超音波とは、周波数が高くて人の耳では聞き取れない音波のことで、20kHz以上の音波を指します。
つまり、20kHz以上の音波で振動させているのです。
超音波洗浄機で一番低い周波数の28kHzでも、静止している液体と比較すると1000倍の速度で水分子が動いていることになります。
例えばもっと周波数の高い、950kHzの場合では10万倍の速度になります。
振動スピードを高くすることで、目に見えない微細な汚れを落とすことができるというわけ。
ただし、周波数が低いと与えるダメージが大きくなるため、洗浄するものによって使用する周波数には注意する必要があります。
超音波で生じる泡を利用している
超音波によって液体の中の期待を膨張させたり収縮させたりすることで、気泡が短時間のうちに発生・消滅(泡ができ、はじける)を繰り返します。
この現象を「キャビテーション」といいます。
この泡は真空に近い状態となっており、はじける時に強力な衝撃波を発生させます。
この衝撃はかなり強力で、稼働させている洗浄槽にアルミ箔を入れると、数秒で穴が開いてしまうほど。
この力を利用して、対象物に付着した汚れを剥離するというわけです。
ただしこのキャビテーションは、周波数が小さいほど大きく、周波数が高いほど小さくなります。
つまり、周波数が小さいほど対象物に与える衝撃が大きいため洗浄力が強く、周波数が高いほど洗浄力が弱いということになります。
衝撃が大きいということは与えるダメージも大きいということですので、低い周波数の超音波洗浄機を使う場合、対象物には注意が必要となります。