洗浄の効果を高める方法

脂系を落とす効果のある洗浄液

機械部品や貴金属などの汚れの原因として多い脂系の汚れには、アルカリ性の洗浄剤・有機溶剤・炭化水素系の洗浄液が効果的。
有機溶剤は鉱油や蝋などの広範囲の油汚れに有効で、アルカリ性の洗浄液は動物性の油や水溶性のものに効果が高く、炭化水素系のものは鉱物系の脂に効果が高いです。
ただし、有機溶剤は揮発性の高い物質で、蒸気となって吸引または皮膚から吸収されると頭痛やめまいなど中枢神経系に障害を与えることもありますので、作業に際しては換気などに注意を払う必要があります。
またアルカリ性の洗浄剤は、廃棄する際には中和剤などを使い、中和処理をすることも必須。
炭化水素系の洗剤は水分をほとんど含まず、金属に腐食が起こりにくいという特徴はありますが、消防法上の規制を受ける物ですので取り扱いに注意が必要です。

取扱いが容易な洗浄液

一般的なのは、水や温水を使った洗浄。
液体によるダメージがなく、人体にも無害というところがメリットではあるものの、洗浄効果は低めです。
頑固な脂汚れを落とす力は弱いですが、有機溶剤やアルカリ洗浄剤のように金属や樹脂を腐食させてしまうようなことがなく、後処理も気にならないのが中性洗浄剤。
中性洗浄剤の代表とも言えるのが台所用洗剤ですが、超音波洗浄機に用いられている洗浄剤では発泡性の抑えられた低発砲タイプが用いられています。
安全性が高く、廃棄も中和などの必要がないので使いやすい洗浄剤と言えるでしょう。
洗浄力や揮発性が高く、優秀な洗浄剤であるフッ素系の洗浄剤というものもあります。
取扱いやすい面もありますが、オゾン層保護や地球温暖化対策に関わる法律で規制されることがある面や、購入単価が高いという面もあり、使用に際しては熟考する必要です。